シャボン玉日記'00 その4
7月中旬
もうひとつの新ネタは弾むシャボン玉である。
シャボン玉が弾んだらなかなか衝撃的であろう。
しかし、儚いものの代名詞のようなシャボン玉が弾むなんてことがあるのだろうか。
実はこれも3年前くらいから何度か試してはみているのだ。
その結果としてグリセリンを加えるとよいということまでわかっている。
しかし、その頃は床で弾ませることを念頭においていたので、床を掃除して乾燥させてと準備する必要もあるし、何度か試しているうちに床がシャボン液で濡れてくるとダメになってしまっていた。
いろいろ調べていてあるHPを見つけた。
海老崎功の実験室である。
これによると、手の上で弾むシャボン玉ができるという。
さすがに素手では無理であるが、新品の軍手のような水をはじきやすい繊維の上でなら簡単に弾むのだ。
写真はその通りに試してみた結果である。

軍手の上にシャボン玉が乗っているのがわかるだろう。
もちろん、弾ませることも可能だ。
手のひらの上で何度も弾むシャボン玉というのはなかなか感動的である。
しかし、問題もある。
弾むくらい丈夫なシャボン玉のできる確率が低いという点である。
これは、上のHPでも指摘されていたが、膨らませ方に工夫がいるということを意味する。
弾ませるためには、膜が厚く、あまり大きくないシャボン玉が適している。
しかし、あまり小さくては見栄えがしないのである程度の大きさはほしい。
となると、厚みのあるシャボン玉をつくる方法を考案しないといけない。
さて、どうしたものか……。
7月下旬
弾みやすいシャボン玉をつくるにはどうしたらよいか。
膨らませるときの角度やストローの太さを変えてみたり、ストローの先を裂いて広げてみたり、膨らむ途中でストローから離してみたり、液の組成を変えてみたり……。
やっているうちに、シャボン玉を見て弾むか弾まないかの判断はできるようになった。
干渉縞と呼ばれる縞模様が見えるものはもう薄くなっているのだ。
シャボン玉の色をよく観察していると、できてすぐはほとんど無色透明であるが、しばらくすると独特の赤、青、緑など虹色の縞模様が現れることがわかる。
そしてさらに時間がたつとほとんど目に見えないくらいに薄くなって、やがてはじけてしまう。
重力のために膜に沿って液が上から下へと流れ落ち、シャボン玉のてっぺん付近からどんどん薄くなっているのである。
このような変化はわかるのだが、確実に弾むシャボン玉をつくる方法は見えてこない。
吹き方のこつは少しずつわかってきて、3回に1回くらいはつくれるようになったが、これでは寂しい。
凍るシャボン玉と同じく確率に賭けるしかないのだが、凍る方はメインは浮かばせることなので確率が悪くてもごまかしがきくのに対して、こっちはそうはいかない。
しかし時間には勝てず、確率の悪魔にすべてを委ねることにする。