シャボン玉日記'00 その5
8月1日、2日
夏季体験学習である。
中学1年から3年まで、まあほとんどが3年生だが、を対象として、午前と午後に分かれて実施する。
2日間で4クールをこなすわけだ。
手伝い学生5名を2人と3人に分けて、2クールずつを担当とする。
さすがに丸二日間ずっとやってもらうのは大変である。
ところが、間の悪いことに雨模様である。
早速、少し計画を修正する必要に迫られる。
朝早くからシャボン液の調合を行い、巨大シャボン玉が確実に作れるように何度も練習して湿度を高めておく。
浮かぶシャボン玉と弾むシャボン玉はほとんど準備することはない。
ただ、ドライアイスを小さく割って水槽に入れておけばよい。
雨で問題なのが外でやる予定だった大量生産機とシャボン玉遊びである。
雨の中に中学生を放り出すわけにはいかないので、屋根のある場所に移動することになる。
シャボン玉遊びというのは、針金で作った輪っかを使って大きなシャボン玉を作って自由に遊んでもらおうという企画。
もちろんこれも屋根のあるところでないといけない。
しかし、シャボン液が飛び散るので濡れても大丈夫な場所である必要がある。
そんなわけで建物の西側にある渡り廊下で行うことにした。
これが幸いして、大量生産機から放たれるシャボン玉は雨の中、芝生の濡れた緑に映えて非常にきれいに見えた。
巨大シャボン玉も、浮かぶシャボン玉も、弾むシャボン玉も、それぞれうまくいった。
ときどき、巨大シャボン玉製造器のひもが絡むトラブルがあったくらいである。
結果オーライ、本番には滅法強いのである。

手伝い学生もよくやってくれたが、彼らの友人で同じ2年生のH.S.くんとC.I.さんが応援に来てくれたのも助かった。
特に2日目の午後、担当だった2人が急用と病気で来れなくなってしまったのだが、このとき応援の2人がいなければ大変なことになっていただろう。
感謝したい。
そんなわけで問題もあったけれど、なんとかこなすことができた。
アンケートの結果、液体窒素についで2番目によかったと思ってくれたことがわかったので一安心である。
8月22日
愛媛サマーサイエンススクールである。
市が主催する小中学生対象、ほとんどが小学生ではあるが、の科学体験イベントである。
今日は各学科のイベントに班毎に分かれて参加し、明日はガラス細工と水のミュージアムという特別イベントが行われる。
直接関係するのは今日の午前中、しかも10班のうち3班しか相手にしない。
けれども、1班の人数は多いし、時間も短い。
そこで年齢が低いことも加味して巨大シャボン玉と大量生産機、そしてシャボン玉遊びの3つに絞ることにした。
1班の人数は多いが班が少ないので、相手をする小中学生の人数自体は少ない。
そこで1人1人にポラロイドでシャボン玉の中に入っている図を撮ってあげることにした。
これ自体は以前からやっていたことだが、ここで学生のアイデアが出た。
今までは場所が狭かったこともあって正面からの全身写真のみだったが、今回はスペースに余裕があるので正面以外にも、少し寄って上半身をアップにするもの、脚立の上から見下ろす角度で撮る場合などである。
さらに、マジックを用意して写真に落書きさせてあげたら、という提案もあった。
自分たちで出したアイデアに対しての取り組みは、こちらで言い出したもののときとは雲泥の差がある。
そして実際にやってみると小中学生の目の輝くこと!
なかなかよい雰囲気である。
企画者の積極性が参加者に伝わると盛りあがるという、よい見本のような出来事だった。
11月11日、12日
秋季体験学習である。
国領祭の科展示と協力して行うイベントで、参加者は老若男女問わないし、忙しいときは次から次へと休む間どころか、来た人に待っていたもらわないといけないくらいになる。
したがって、やはり巨大シャボン玉、大量生産機、シャボン玉遊びの3つだけにした。
そして今回は手伝ってくれる学生も変更になった。
とはいえ2年生であることには変わりない。
K.I.さん、Y.I.さん、A.U.さん、K.F.さん、M.M.さんら5人である。
やはり2日間を分担してもらうことに。
夏休みが終わって完全にラウンジに戻していたので壁画もとりはずしていた。
しかし、やはり壁が汚れるのは避けたかったので、布をカーテンのように釣ることにした。
これなら比較的、設定も片付けも楽である。
最初からそうしておけばよかった。
そんなわけで当日。
巨大シャボン玉の中に入れてあげる。
足りなくなったシャボン液を調合して補充する。
シャボン玉遊びで泡だらけになった液溜めをきれいにする。
風向きに応じて大量生産機の向きを変える。
濡れた地面に滑って転んだ子供の手当てをする。
視察に来た校長の案内をする。
もちろん声を張って場を盛り上げるし、客寄せもする。
そうして無事に終わりの時間がやってきた。
2日間で延べ800人というお客を相手に計12時間。
疲れた、と思う間もなく片付け。
ようやくすべてのイベントが終わった。
ただ、準備期間中にたくさんの宿題を積み残している。
来年以降に取り組む課題というわけだが、とりあえず今は忘れて開放感に浸ろう。