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シャボン玉日記'99 その2


7月27日
 はじめに巨大シャボン玉製造器の再セッティングをやってもらう。 概略は次の図のようである。
soapbubble scheme
 フラフープを2つ用意し、片方にはシャボン液がよくしみ込むように包帯を巻いておく。 別のフラフープを天井に固定して滑車を3ヶ所に取り付ける。 これにそれぞれひもを通して、包帯巻フラフープに結びつけて宙づりにする。 ひもの他端は結んで1本にまとめた上、2つの滑車を介して持ち手とする。
 シャボン液を溜めるためのドーナッツ状プールを用意し、その中央に人が入れるようにしておく。 中に人が立った状態で、包帯巻フラフープをシャボン液に十分浸し、ひもを引っ張るとフラフープとプールの間に膜ができて、巨大シャボン玉の中に入れるというわけである。 正確には玉ではなく筒(しかも天井は閉じていない)に入るのだけれど。

 この装置自体は昨年完成しており、今日は1年ぶりに設置してみてうまく動作するかどうかを確認することが目的である。 実際には雨樋を使ったドーナッツ状プールを作り直したい気もしているが、今回はそのままとする。
 セッティングは男子3人組にやってもらった。 滑車がいくぶんさびており、キュルキュルという音が多少するけれども、動き自体に問題はない。 どうやら大丈夫のようだ。
 シャボン液を5リットル用意し、プールに入れて引き上げてみる。 最初は伸びが悪かったが、何度か繰り返すうちにうまくできるようになった。 ひもをひくコツを伝授して何度か練習させると、まあまあ人が中に入れるほどに伸びるようになってきた。 とりあえず目途が立ったので、これについては直前まで寝かせておくことにする。

8月2日
 今年の目標のひとつにシャボン玉大量生産機の作成がある。 完成予想図を下に示す。
many soapbubble
 モーターに比較的目の荒い金網を円形に切って取付け、ゆっくり回るようにする。 台にモーターを設置して、その下に金網ができるだけ多くつかるようにシャボン液溜めを置く。 モーターを回すと金網にシャボン液が膜を張るので、後ろから扇風機で風を送ってやれば次々とシャボン玉ができるというもの。

 モーターは、工業高専らしくいろいろと転がっているので、1分間に12回転という適当な回転数のものを見つけてきて使うことにした。 金網はニワトリ小屋などに使うような六角形の網目のものを買ってきた。 シャボン液溜めは最初横長のプラスティック製植木鉢にしようと思ったが、底の穴を埋める手間がいるので、コミック本整理用のケースを利用することにした。
 まず、金網を円形に切り、外枠をきれいにつくる。 次に細いステンレス棒を十字にして金網を固定し、これをモーターに取り付ける。 適当な台を用意してモーターを載せ、スイッチを入れてみる。 どうも中心がずれている上に金網の固定がうまくいっていないので、動きがぎこちないが、とりあえずなんとかなりそうだ。 微調整を含めた続きは次回とする。

8月13日
 シャボン玉大量生産機の調整である。

 シャボン液を入れた容器を載せる台の高さを調節して、金網が液に十分浸るようにする。 アングルで組んだ台なので、比較的簡単にできる。 できた台にモーターを設置し、金網を取り付けてスイッチを入れてみる。 回る(当たり前だ)。
 しかし、中心がずれていて途中で容器に金網が接触してしまう。 金網の調整をする。 再度、実験。 今度はうまくいった。

 次に、シャボン液を容器に入れ、扇風機で風を送ってやることにする。 すると、できるできる、大量のシャボン玉がまるで吹雪のように飛んでいく。
sb-photo19
 しかし、とても成功というわけにはいかない。 というのは、金網の目でシャボン玉ができるのだが、目が近すぎて泡の塊のようになってしまいやすいのだ。 しかも、それらがすぐに床をべたべたにしてしまう。

 もっと目を荒くした方がよさそうだが、網だとやはり同じようになるおそれがある。 そこで針金で小さな輪を作り、それを放射状に並べる方法を試すことにする。
 とりあえず、1つだけつくってモーターに固定してやってみた。 意外と1つの輪からたくさんのシャボン玉ができる。 これなら6個か8個の輪を並べてやれば結構うまくいくかもしれない。 次回はこれを作成することにして、お盆休みに入る。

8月18日
 金網の代わりに針金の輪を使ってシャボン玉大量生産機を改良する。 針金の一端を輪にして、他端をモーターの軸に固定してやろうというのだ。 ぐだぐだ説明するより、下の写真を見てもらえるとよくわかるだろう。
sb-photo20
 モーターの軸に板を取り付け、それに両面テープで発泡スチロール板を貼りつけたものに針金を刺して固定している。 意外と安定しているが、どれだけ長持ちするかはよくわからない。 ともかく、うまく回転する。
 そこで実際にシャボン液を入れ、輪に膜ができることを確認した上で扇風機のスイッチを入れてみる。 成功である。 金網のときのような泡の塊はできないし、輪は8つしかないが1つの輪からいくつものシャボン玉ができるのでかなりの数をつくることができた。

 あとは剥き出しのベニヤ板やアングルを隠すように飾り付けがいる。 そこは学生のセンスにまかせるとして、基本的には完成とする。

8月30日
 夏休み中の最終チェック。 巨大シャボン玉製造器とシャボン玉大量生産機を試運転する。
 巨大シャボン玉製造器は、まず足元がすべりにくいようにベニヤ板を敷いてその上にセッティングする。 シャボン玉に入った状態のポラロイド写真を撮ってあげることになっているので、その練習も行った。 どうやらほとんど問題なくいけるようだ。
 一方、シャボン玉大量生産機の方の飾りつけは結局断念した。 ただ、モーター駆動部に液がついて漏電しないようにだけ工夫する。 こちらも全く問題ない。

 これで準備OK。 あとはリハーサル待ちということになった。


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