シャボン玉日記'99 その4
9月9日
明後日に体験入学本番を控えてリハーサルを行った。
各テーマを受け持っている学生を全員集めて全体の流れを説明し、その後テーマ毎にセッティングをしてもらうのだ。
中学生は午前40人、午後20人くらいの割合でやってくるのでそれぞれテーマ数だけの班に分ける。
そして1テーマ15分の持ち時間で順繰りに班毎にまわってもらうことになる。
さて、シャボン玉の方のセッティングだが、とりあえず液を作って各実験をすべて試してみる。
巨大シャボン玉製造器とシャボン玉大量生産機は問題なくうまくできた。
問題点があるとすれば、昨年の液と比べて飛び散りが多く床がべたべたになりやすいことと、大量生産機の方に必要な液量がかなり多いことだろうか。
これについては仕方がないので、とりあえず今年はおいておく。
一方、うまくいかないのがヘリウム入りシャボン玉発生装置である。
ガスを二系統で流すと、バブリングする方のガスが抵抗が大きすぎて片方にしか流れない。
バルブを付け替えて調製しようとするが、どちらか一方にしか流れないのだ。
困って先週は一系統にしたが、それだと大きなシャボン玉にならずに小さな泡の寄り集まりになってしまう。
そこで思いついたのが、二系統で流すガスを別々にしてやるということ。
ヘリウム入りシャボン玉なので二系統ともヘリウムを流さないといけないと思っていたのだが、バブリングする方は量が少なくていいのだから空気を送ってやればよい。

すると、5秒に1個というゆっくりした割合ではあるけれど、ふわりふわりと浮きあがっていくシャボン玉が完成した。
ただ、ガスを流す速さの設定が難しくて当日うまくいくかどうか、不安である。
それにあまりにもゆっくりした速度なので見栄えがしないというのも気にかかる。
まあ、それらを含めて試作品ということでやってみることにする。
9月11日
体験入学当日である。
私は全体の責任者ということもあって、シャボン玉に限らず総括的な進行をしなければならない。
シャボン玉のコーナーは他のテーマの場所から少し離れているので、あまり様子を窺うことができなかった。
それにデジカメであちこちの実験風景を写そう思っていたのもできなかった。
まあ、写真そのものは別の人に撮ってもらっているので問題はない。
このページに反映されないだけである。
さて体験入学の状況だが、最初、各班1テーマ15分といっていたのに15分で終わらないテーマが出てきて混乱した。
しかも、その前のテーマが15分をもてあますのでさらに困ってしまった。
リハーサルとはどうも様子が違ったようだ。
仕方ないのでその2つのテーマで30分という区切りにしてもらい、なんとか流れるようになった。
シャボン玉は、ヘリウム入りシャボン玉発生装置がやっぱりパッとせずに盛り下がってしまったが、他のでは喜んでもらえたようだ。
童心にかえって楽しめるのがシャボン玉。
思ったより大きなシャボン玉ができる感動は、男女を問わないようだ。
午前中で40人をこなしてホッとしたのも束の間、午後は20人と半分で済んだが、気温が上がってきて消耗が激しい。
それでも中学生たちが楽しそうに実験している姿をみると、自然と笑顔になってくる。
しーんとしたお勉強的なのではなく、にぎやかにわいわいと手を動かして実験するイベントになっているのがいいのだろう。
みんな生き生きしている。
(まあ、中にはしらっとしている子もいるけれど)
最後にアンケートをとって終了。
やはり液体窒素は人気抜群である。
4人に3人はおもしろかったテーマに選んでいる。
シャボン玉は3人に1人くらいの割り合い。
ガラス細工に次いで人気度3位であった。