研 究 室

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研究テーマ

 本研究室では、拡散分離工学、特に溶媒抽出に関する研究を行っている。

 左の図は本ホームページのオープニングGIFイメージであり、溶媒抽出による分離操作を示している。
 深緑色の上相と濃青色の下相の間で、緑色の丸で示される物質が黄土色の丸で表した抽出剤によって移動している様がわかるだろう。
 このように互いに溶け合わない二液相間での物質の分配を利用した分離操作が溶媒抽出である。
 その中でも、界面活性剤によって形成されるマクロおよびマイクロエマルションを利用した乳化液膜および逆ミセル抽出という分離方法の開発を主なテーマとしている。 また、金属イオンや染料の抽出についても検討している。
 なお、過去の研究論文のリストはこちらにある。

逆ミセル抽出
 逆ミセルとは、界面活性剤が有機溶媒中で親水基を内側に向けて会合した分子集合体である。 そのため、逆ミセルの内部に水を可溶化してナノオーダーの微小水滴を形成することができる。 タンパク質などの親水性生体高分子は、静電的あるいは疎水的相互作用によって逆ミセルの微小水滴内に可溶化されうる。 すなわち、親水性物質をマクロには有機媒体中に溶解することができる。 これを利用して水溶液から逆ミセル有機溶液へタンパク質などを抽出分離する方法を逆ミセル抽出法と呼ぶ。
 本研究室では、抽出平衡、抽出速度はもとより、抽出機構の解明、新規逆ミセル抽出系の開発などを検討している。

乳化液膜
 界面活性剤によって安定化された(W/O)型エマルションを水溶液中に分散すると(W/O)/W型の複合エマルションが形成される。 このとき有機溶液相は内部水相と外部水相に挟まれた液状の膜のような役割を果たす。 外部水相に溶質、有機相にその溶質と反応する抽出剤を加え、さらに内部水相に逆抽出剤を添加しておくと、溶質は抽出剤と錯体を形成して有機相に抽出され、内部水相との界面で逆抽出されてその内部に濃縮される。 これを乳化液膜操作といい、生体膜類似の選択的能動輸送による高度分離を実現することができる。
 本研究室では、液膜の安定性、水透過性、エマルション相内の移動抵抗などに関して検討している。

その他
 着色排水からの染料の抽出回収、撹拌下における液液分散系の転相現象、極微小環境にある水の電気的体積的挙動など。


学位論文

Sophisticated Separation Methods Using Macro- and Micro-Emulsions Formed by Surfactants
(界面活性剤によって形成されるマクロおよびマイクロエマルションを用いた高度分離法に関する研究)


WWW講習会

インターネットで学ぶ最先端の抽出技術
 1997年7月31日をもって講習会は終了しました。 テキストの閲覧は可能ですがパスワードが必要です。 また、質疑討論は締め切られています。
 なお、衣笠の担当「撹拌下における液々分散系の転相現象」はパスワードなしで閲覧可能です。


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